2.2 インプットとアウトプット

できるエンジニアになるためのちょい上DB術/第2章 概念設計

2.2 インプットとアウトプット

目的のところで明らかにしたように、視野を広くもつトップダウンの企業戦略と、業務を詳細に分析するボトムアップの手順の両方をインプットとして、概念設計を行います。
アウトプットとして求められるのは、正規化された、理想的な形で整理された概念ER図です。

ここではシステムの方式やデータベースの種類などには関係なく、どのようにデータをもつべきかという観点で、データの「あるべき姿」を設計します。
システムの方式に依存しないため、ここで作成された概念ER図は、将来異なるシステム化を行う場合にも再利用することができます。

また、正規化を行っている姿を残すことによって、正規化を崩す前の本来あるべき姿と現在使用されている「正規化が崩れたデータベース」との比較を行うことができます。
実際のデータベースは非正規化(正規化を崩す)されていることが多いのですが、一度きちんと正規化を行っておかないと、どこを非正規化すべきなのかを明確にすることはできません。
将来的にアプリケーションを追加・拡張する際に、「どこが正規化を崩されているのか」がわからないと、更新時に連携して更新すべき箇所が漏れてしまい、データの整合性が失われ、結局信頼性のないデータベースになってしまいます。

これらの点を理解した上で、実際の概念設計の手順を見ていきましょう。

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解説トレーナー

Oracle / 上流工程 担当 中村 才千代

データベース設計、システム構築の上流~下流工程全般のインストラクターです。SE時代の経験を生かし「業務を知るエンジニアこそDB設計に関わるべき」「DB設計に携わるエンジニアは業務を知る人に知恵を貸してもらう」ことを伝えたいと思っています。

■認定・受賞

2000年 Oracle University「Best Instructor of the Year」受賞
2002年 Oracle University「Best Instructor of the Year」受賞

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