7.2 受注処理
受注業務
業務の現状を以下に説明しますので、それを把握した上で続く問題に答えなさい。
営業所の社員は、顧客からの注文を受けて受注処理を行います。
受注処理は、方式設計の要件定義より、ピーク時のトランザクションは150件/sec、更新時のレスポンスは5秒以内で返ってくることが要求されます。
- 商品名を指定して、受注できるだけの出荷可能在庫が倉庫に存在するかを確認します
- 商品コードと倉庫コードを指定して在庫の引当を行います
- 顧客の要望、または営業の判断で請求月を指定する場合もあります
- 顧客の要望に応じて受注取消し、受注個数変更処理を行う場合があります
ただし、この処理は出荷指示が出た後で行うことはできません - 顧客からの問い合わせで受注商品や受注数の確認作業を行う場合があります
- 受注のステータスを明細情報ごとに確認し、受注後の処理漏れがないかを確認します
受注後のステータスは、次の10種類があります- 仮引当:
注文の商品情報と受注数を最低1件登録した後、「引当」ボタンを押下したが、引当数が受注数より少なく、可能な限り商品を引き当てておいた状態
翼商事では、単品が他の代替商品で注文を置き換えてもらうことが難しい商品を扱っているため、全受注数が引き当てられない場合は、仮引当処理を行うことにした
また、値引調整は、情報だけ入力しておくことができるが、引当数量が確定した後に、上長の承認を受けるよう な順にする - 引当:
受注数分、引当ができたが、値引情報が未だ入力されていない状態
または、引当数が不足したため、発注処理を行い、受注数に足る数の商品の納期が確定した状態
または、引当数が不足したため、受注数から訂正後数量計に受注数が変更された状態
この後、値引の必要があれば、値引情報を追加する。すると、ステータスは「承認待ち」となり、上長の承認を待つプロセスに入る
値引の必要がなく、出荷指示を出すことができるのであれば、「受注確定」ボタンを押して、「出荷指示待ち」ステータスに変更する必要がある - 受注確定:
引当が完了し、値引の必要がないため、手動で出荷指示待ちにした状態 - 要承認:
引当が完了し、値引の承認が上長からおりるのを待っている状態 - 承認済:
上長による値引が行われ、出荷指示待ちになっている状態 - 出荷指示済:
出荷指示処理が終了した状態。これ以降、受注のキャンセルはできない - 出荷済み=売上計上済:
顧客ごとに出荷が完了した状態 - 納品済:
顧客から納品受領書が返されてきた状態 次の処理は請求書発行 - 返品:
顧客から返品があり、それに対応した新しい受注がまだ客先に納品されていない状態
返品の場合、返品分だけ以前の売上から売上返品という形で差し引く処理を行う
(売上に正常売上と返品売上という区分を設け、返品売上の場合、以前の売上から返品分を差し引く処理を行う。以前に売上が計上されたものは差引かれた額で計上される) 次に、返品された分は、新規に0円受注という形で以前の受注と関連付けて新規の受注が起こされる
その受注が納品された状態で納品清になり、請求処理にまわすことがきるようになる - 請求済:
請求書発行済 - 入金済:
請求分の入金が確認された状態
- 仮引当:
受注ヘッダ | ||
* | 受注注文番号 | |
客先注文番号 | ||
受注日付 | ||
受注顧客コード | (FK1) | |
出荷先顧客コード | (FK2) | |
受注社員番号 | (FK3) | |
値引き承認社員コード | (FK4) | |
受注部門コード | (FK5) | |
営業値引き承認フラグ | ||
営業値引き理由 | ||
営業値引き非承認理由 | ||
値引き詳細番号 | (FK5) | |
消費税額 | ||
税抜受注全額合計 | (導出) | |
キャンセルフラグ | ||
適用 |
問題1
受注、受注明細エンティティの表構造を検討しなさい。
問題2
上記処理を確認して、作成した方が良いと考えられる索引を検討しなさい。
問題3
上記処理要件を確認して、導出項目や重複項目を残すかどうかを検討しなさい。
問題4
受注、明細エンティティの一意識別子を決めなさい。
問題5
各エンティティで削除、更新時の処理をどのように扱うかを決めなさい。
解説トレーナー