8.3 Excelの各シートへの記述

できるエンジニアになるためのちょい上DB術/第2章 概念設計

8.3.2 表配置シート

前提

ユーザ表に割り当てられているボリュームは12です。
表容量計算シートより、各サブシステムごとにどの程度のボリュームが必要かを試算します。
サブシステム名 容量
販売管理 9,159,760KB
在庫管理 6,169,720KB
仕入れ管理 7,127,040KB
経理管理 3,153,920KB
売上分析 52,838,400KB

表8-2 サブシステム別の容量資産表

設計例

各サブシステムごとに表領域を分割し、障害の局所化をするために、ボリュームも表領域ごとに分けた方が望ましいといえます。
そこで、1~4までのサブシステムを、同じ程度の容量になるよう3つに分割して、12ボリュームを3分割しました。
各表領域ごとに4ボリュームが割り当てられるため、各表領域のパーティションもその中で並列に分散して読み書きができるように考慮します。

8.3.3 表領域設計書

表領域はサブシステムごとに分割します。
マスタ系とイベント系で分割し、同じ種類の場合でも、エクステントサイズやブロックサイズの違いで分割します。

SYSTEM表領域とUNDO表領域のエクステントサイズは自動設定とします。
UNDO表領域とTEMP表領域は、オンライン系とバッチ系で分けて作成します。
バッチ系の表領域は、ブロックサイズもエクステントサイズも大きいものを使用します。
データ用表領域の1エクステントサイズは大きくても100MBを上限としました。

8.3.4 データベースファイル設計書

前提

  • システム関係のボリュームのマウントポイントは4つ: /SYS01~04
  • REDO用のボリュームのマウントポイントは4つ: /RED001~04
  • ユーザ用のボリュームのマウントポイントは12: /DATA01~12

設計例

制御ファイルは3つ作成し、多重化した上で3つの異なるボリューム(/SYS01~03)上に配置します。
システム表領域は、パーティション表の統計情報を取得すると、非常に大量の領域が必要であることがわかっているため、/SYS01から/SYS04までのボリュームすべてを使用して、あらかじめGB級のファイルを用意します。

ブログファイルはローカルに二重化し、2つの異なるボリューム(/SYS01~02)上に配置します。
UNDO表領域と一時表領域は/SYS03~04を使用して、UNDOTBS(オンライン用)とTEMP_BIG(バッチ用)を/SYS03に、UNDOTBS_BIG(バッチ用)とTEMP(オンライン用)を/SYS04に配置します。
このように配置すれば、読み込み、書き込みの競合は起こりにくいと考えられます。

REDOログは4グループ作成します。
各グループのメンバーは2つずつ作成し、各グループのメンバーは異なるボリュームに配置します。
次のグループが現在のグループの書き込みボリュームとは異なるボリュームになるようにし、書き込みが完了した後のグループのメンバーが、アーカイブログにコピーされるために読み込まれるのと、カレントのREDOログへの書き込みが競合を起こさないようにします。
REDOログファイルのサイズは本来計測し、30分から1時間に1回ログスイッチがおきるように指定します。
ユーザデータ用の配置は8.3.2「表配置シート」を参照してください。

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解説トレーナー

Oracle / 上流工程 担当 中村 才千代

データベース設計、システム構築の上流~下流工程全般のインストラクターです。SE時代の経験を生かし「業務を知るエンジニアこそDB設計に関わるべき」「DB設計に携わるエンジニアは業務を知る人に知恵を貸してもらう」ことを伝えたいと思っています。

■認定・受賞

2000年 Oracle University「Best Instructor of the Year」受賞
2002年 Oracle University「Best Instructor of the Year」受賞

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