RPAのグローバルカンパニー、UiPath社にインタビューしました

2018年7月

【ご協力】
UiPath 株式会社 パートナーソリューション本部 本部長
中薗 直幸 氏

【聞き手】
エディフィストラーニング株式会社 RPA 担当トレーナー
高橋 桂子

RPA(ロボティック プロセス オートメーション)の導入企業が、急増しています。 RPA は、PC 操作を人に代わって実行するソフトウェアです。 現在、オフィスでは、さまざまな PC 雑務が日常的に行われています。 たとえば、決められた Web サイトを巡回して、データを集め、それを Excel に加工して、関係者へメールで送るといった作業、あるいは、 アプリケーションにデータを登録し、その出力を別のアプリケーションのデータと照合して確認する作業、 メールに添付された請求書の PDF ファイルに記載された金額を、アプリケーションに入力して集計する作業・・・・・・・・・RPA は、 こうした PC での作業を正確、高速に、繰り返し、実行することができます。 RPA は、デジタル レイバー(仮想知的労働者)とも呼ばれ、人手不足や、働き方改革への対応に悩む企業への特効薬ともいえる注目のテクノロジーです。

今回は、RPA のグローバルカンパニーである UiPath株式会社 パートナーソリューション本部 本部長 中薗 直幸 氏に、 弊社トレーナー高橋 桂子(RPA コース担当)がお話をうかがいました。
UiPath 株式会社(ユーアイパス 株式会社)

日本 400 社、世界 1,500 社の実績を持つ RPA ベンダー。
本社は、米国ニューヨーク。2017 年に日本法人設立。
同社の RPA 製品である UiPath は、多様なアプリケーションにアクセスできる上に、 開発ツールはユーザー フレンドリーであり、スモールスタートから大規模利用まで対応可能で、 特に大規模環境においてはロボットの稼働を統合的に監視できる機能を提供する。 また、AIなど最新アプリとも容易に連携する柔軟なインターフェースを持っており、金融、製造、商社、情報サービス…と分野を問わず、 さまざまな業界で活用されている。

  • RPA はデジタル時代のインフラとして重要な役割を果たす
  • 人間が主体、RPAが従となる業務協業
  • RPAの理解者のすそ野を拡げる
  • ユーザーフレンドリーな開発環境
  • 導入規模に応じた柔軟なロボット管理
  • 日本法人によるきめ細かなサポート

インタビュー

RPA はデジタル時代のインフラとして重要な役割を果たす

-現在多くの企業が、人手不足や、政府の「働き方改革」への対応といった問題を抱えており、その解決に RPA を活用しようとしています。
さらに、こうした動きは、民間企業にとどまらず、政府主導の未来投資会議でも、デジタル ガバナント(デジタル行政)実現に AI や、RPA を活用した業務改革があげられました。
RPA が社会に与えるインパクトについて、どのようにお考えですか?UiPath 社のストラテジーもまじえて教えてください。
中薗 氏:
RPAはデジタル時代のインフラとして重要な役割を果たすと考えています。
RPAが様々なチャネルから取得された大量のデータを自動的に、効率的に蓄積することにより、AIが学習するためのデータの整備が行われ、 AIの持つ分析力などが活かすことが出来ると考えています。
UiPathはそのようなデジタルインフラの役割を将来に向けて果たすのを見越して、様々なアプリケーションとの連携を容易に実現する柔軟なインターフェースを持つ構造となっています。
いくつかの企業ではRPAの持つこの機能の重要性に気付いて、一部の業務にパッチ的にRPAを導入して部分的な効率化を追求するのではなく、 将来の新しいビジネスモデルの創造のために全社的なインフラとしてRPAを如何に展開していくか検討を重ねています。

人間が主体、RPAが従となる業務協業

-RPAに対して、よくある誤解に「ロボットは人の仕事を奪う」というものがありますが、これについてはどのようにお考えでしょう?
中薗 氏:
RPAは決してこれまで仕事を担ってきた社員を駆逐し、社員を削減することを目指したものではありません。 人間が主体、RPAが従となって業務の協業を進めることで、これまでにない業務の拡がり、新しいサービスレベルの追及を目指すことが出来るものであると考えています。 決して人間の仕事は無くなりません。RPAによりどんどん可能となる新しいサービスを人間は一生懸命創り出していかねばなりません。これはロボットにはできない知的労働です。

RPAの理解者のすそ野を拡げる

-UiPath社では、教育についてどのようなお考えや計画をお持ちでしょうか?弊社に期待することも合わせて教えてください。
中薗 氏:
UiPathではオンラインの無料トレーニングを、公開したり、コミュニティーによる活動の場を積極的に提供するなど、 知識の共有に非常に積極的に取り組んでいます。RPAには、これからのデジタルインフラになる限りない可能性があるものの、 まだまだ新しい分野であり、出来るだけ多くの方がRPAの知識を吸収できる場を提供し、RPA理解者のすそ野を拡げていきたいと考えています。 そのためには、RPAに関わる様々な立場の人々が協業してRPAを普及させていくことが求められます。是非御社にも、 RPAの世の中への浸透に向けてご支援いただければと思います。

UiPathの特長 UiPath製品の特長を 3 つに絞って、ご紹介します。

1.ユーザーフレンドリーな開発環境

ワークフロー開発ツールUiPath Studioは、必要な操作を実行する部品(アクティビティ)をデザイナーにドラッグ アンド ドロップするだけで使用でき、 複雑なコードを記述する必要はありません。このようなアクティビティは既定で300 種類以上用意されており、Web、Excel、メール、 PDF、SAP、Ctrix、Salesforceといったユーザーが日常的におこなうPC操作を広範囲にカバーします。 さらに、レコーディング機能により、ユーザー操作を記録して、それをアクティビティに自動変換できるので、簡単、かつ短期間で、 ワークフローを開発できます。

※ワークフローとは、ロボットが実行する命令を定義したものです

アプリケーションのボタンをクリックする、フィールドに入力するといった操作をロボットが実行するときのUI 要素の判断には、単なる座標認識や、イメージ認識だけなく、コンピューター ビジョンと呼ばれるアプリケーションの UI オブジェクトそのものを認識する機能があるので、アプリケーションのバージョンアップにも柔軟に対応できます。
(参考:UiPath 社の公開している Studio 操作画面のビデオ⇒https://youtu.be/wpdRQZzsfjM

2.導入規模に応じた柔軟なロボット管理

RPA を導入する企業の多くが、EUC(エンドユーザーコンピューティング)の発生を懸念しています。 EUC の問題は、Excel マクロで顕在化しました。部署や、部門ごとに Excel マクロをつぎつぎと開発し、使用した結果、管理できない Excel マクロが増えて、保守が困難になったのです。 RPA でも、部署や部門ごとにそれぞれの業務をRPA化した結果、管理の及ばない「野良ロボット」が発生する恐れがあります。多数のロボットが稼働する環境では、ロボットの展開、稼働状況の監視、ロボットの操作ログ、権限管理なども必要になるでしょう。
UiPath では、Orchestrator という管理サーバーを設置することで、このような要望を満たすことができます。
一方、小規模、または、RPA をスモール スタート モデルで導入したい組織では、このような管理サーバーの構築が、逆に負担になるかもしれません。 Orchestrator は必須ではないため、このような組織では、Orchestrator を構築せずに UiPath をすぐに導入することができます。

3.日本法人によるきめ細かなサポート

UiPath社では、充実した日本語サポートを提供しています

同社のホームページ(https://www.uipath.com/ja/)の[開発者向けコンテンツ]には、日本語のマニュアル([ガイド])、 機能解説動画([ビデオチュートリアル])が公開されています。 ユーザー同士の情報交換の場であるフォーラムにも、日本語カテゴリが用意されています。

[UiPathアカデミー]には、複数の日本語オンラインセミナーが公開されており、UiPathの基本的な開発スキルを自己学習で、身に付けることもできるようになっています。

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