4.6 処理実行により影響をうけるコンポーネント

4.6 処理実行により影響をうけるコンポーネント

大規模データベースで、OLTP系の処理とDSS系の処理が実行された場合に影響をうけるコンポーネントは、アプリケーションの種類によって異なります。
それぞれの特徴をまとめつつ、関連するコンポーネントの注意点を説明します。

OLTP系のアプリケーション

更新履歴レコードが大量にREDOバッファに書き込まれるため、次の点に注意する必要があります。
REDOバッファ&
REDOログファイル
REDOバッファが小さい REDOファイルヘの書き込みが頻繁に行われ、IO待が頻発する原因になる可能性が高い
REDOログファイルへの書き込みが滞る(他のコンポーネントへの書き込みと競合している場合など) REDOログファイルヘ書き込みができないと、REDOバッファがFULLになってしまう
バックグラウンドプロセスファがいっぱいになってしまうと、更新レコードがバッファに書き込みできなくなり、サーバプロセスの処理が止まったように見える
REDOログバッファが小さすぎる ログスイッチが頻発し、それに伴い、チェックポイントも頻繁に起きることになる
チェックポイントは、データベースにとって書き込み処理が多く、コストの高い処理なので、その他の一般処理の優先順位が落ち、パフォーマンスが悪くなる
UNDO表領域   OLTP系(更新が多い)システムでは、書き込みが頻繁になる可能性が高い。UNDO表領域を格納しているディスクの書き込み処理に待ちが発生している場合には、UNDO表領域のデータファイルをストライプ化することを検討する

 表4-5 OLTP系アプリケーション使用時の注意事項

DSS系のアプリケーション

一時表領域 頻繁に大規模なソートを行うDSS系のシステムでIOが頻発する可能性がある
PGAに割り当てるメモリ領域の制限が原困である場合、IOを最適化するために、一時表領域のデータファイルをストライブ化することを検討する
ユーザ表領域 売上分析などを行うような大規模なユーザ表の処理を検討する
パーティションオプションの使用
マテリアライズドビューの使用
ストライプ化

表4-6 DSS系アプリケーション使用時の注意事項 

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解説トレーナー

Oracle / 上流工程 担当 中村 才千代

データベース設計、システム構築の上流~下流工程全般のインストラクターです。SE時代の経験を生かし「業務を知るエンジニアこそDB設計に関わるべき」「DB設計に携わるエンジニアは業務を知る人に知恵を貸してもらう」ことを伝えたいと思っています。

■認定・受賞

2000年 Oracle University「Best Instructor of the Year」受賞
2002年 Oracle University「Best Instructor of the Year」受賞

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