6.4 【設問】請求~入金、請求~支払

6.4 【設問】請求~入金、請求~支払

例題22 支払を管理するエンティティを検討する

支払は、自社の支払条件に基づいて、締処理を行い、請求書と照合します。
その結果をもとに、調達部門から経理部門に支払を依頼しますが、支払処理を行う際に使用されている支払伝票は以下のとおりです。

問題

支払を管理するのに必要な情報と、支払方法別に必要な情報をモデリングしてください。

解答

支払
*支払番号  
 支払年月日  
 支払部門コード(FK1) 
 支払確認社員番号(FK2) 
 支払金額  
 消込金額 1.
 支払請求番号(FK3) 
 支払方法区分コード(FK4) 
 支払方法別識別番号(FK4) 
 
支払請求
*支払請求番号  
 請求年月日  
 支払先顧客コード(FK1) 
 前月請求全額(重複) 
 当月支払金額(重複) 
 当月税抜支払金額(導出) 
 消費税金額(導出) 
 当月被請求金額(導出) 
 経理部門コード(FK2) 
 請求消込金額(重複)1.
 無効化フラグ  
 無効化元支払請求番号  
 無効化理由  
 
支払請求明細
*支払請求番号(FK1) 
*支払請求明細番号(FK2) 
 税抜支払合計全額(導出) 
 仕入先顧客コード(FK3) 
 発注部門コード(FK4) 
 
買掛
*支払先顧客コード(FK1) 
*支払年月  
 前月末繰越買掛残高(導出)2.
 当月被請求総額(重複) 
 当月支払総額(重複) 

解説
(注:番号は解答中の番号と対応します。番号が記載されていない解説は、全体に当てはまります)

支払完了後、支払エンティティに、支払情報を入力します

  1. 支払処理完了後、これまでの未入金分の消し込み処理ができるよう、支払請求エンティティに「請求消込金額」という属性を追加しました
    これは、支払後の買掛金消し込み処理時にセットされる値です
    この属性は、買掛金の残管理に使用されます
    同様に、支払エンティティの「消込金額」も、買掛金消し込み処理時にセットされます
    「支払金額-消込金額」の値が、未振替残として管理されることになります 未振替残金額がプラスの場合は、支払金額が多すぎるわけで、次回支払い時、未振替残分を差し引いて請求されることになります
  2. 上記1.の末振替残金額がマイナスの場合、「買掛」の「前月末繰越買掛残高」がプラスになり、当月分の請求金額に加算されて請求されることになります
    逆に未振替残全額がプラスの場合、「買掛」の「前月末繰越買掛残高」がマイナスになり、当月分の請求金額から差引かれて請求されることになります

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解説トレーナー

Oracle / 上流工程 担当 中村 才千代

データベース設計、システム構築の上流~下流工程全般のインストラクターです。SE時代の経験を生かし「業務を知るエンジニアこそDB設計に関わるべき」「DB設計に携わるエンジニアは業務を知る人に知恵を貸してもらう」ことを伝えたいと思っています。

■認定・受賞

2000年 Oracle University「Best Instructor of the Year」受賞
2002年 Oracle University「Best Instructor of the Year」受賞

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