4.9 障害の種類とバックアップリカバリ
「第1章 DB概論」で詳しく説明しているので、ここではポイントだけを確認します。
運用フェーズに入ったときのバックアップ取得スケジュールと、障害時手順書を作成する必要があります。
作成にあたっては、次のような事項を明らかにしておく必要があります。
業務要件 | MTTR(平均回復時間) MTBR(平均障害間隔) トランザクション量と各表に対する変更頻度 (第3章「論理設計」で説明済) |
運用要件 | 計画的シャットダウンが許容されているか 障害発生時の体制 データベースの物理的な構成の変更頻度 |
技術要件 | バックアップ&リカバリにしようするハードウェア、ソフトウエア データベースのアーカイブファイル取得モード(*) 表または表領域ごとに取得するバックアップの種類論理バックアップ or 物理バックアップ (*)データベースのアーカイブモード
OracleのデフォルトはNOARCHIVELOGモード |
対応すべき障害の種類 | |
費用 | 費用対効果が最も頭を悩ませる部分かもしれません。 もし、データベースが障害によって停止した場合、どの程度の機会損失が生じるかを計算します。 この機会損失には、信用失墜に伴うダメージも計上すべきです。 システムの高可用性をいかに維持できるかは、企業の信頼性の高さを示すバロメータと言い換えても過言ではありません。 頻繁に起きるシステムダウンは、企業体質が脆弱であることを証明するようなものです。 投資すべきところに適切に投資できるよう、リスク管理を適切に行ってください。 |
表4-11 バックアップ方式の検討と障害時リカバリ手順の検討
4.9.1 アーカイブモード
NOARCHIVELOGモード
NOARCHIVELOGモードでは、REDOログの内容はアーカイブログファイルにコピーされません。
アーカイブログファイルは、メディア障害時に適用するために必要なファイルなので、このモードではメディア障害時に復旧することが困難になります。
NOARCHIVELOGモードを選択するのは、テスト環境の場合や、次のような条件の場合に限定する必要があります。
デフォルトはNOARCHIVELOGモードです。
- 必ず1日の終わりに全体データベースのバックアップを取得することができる
- 1日のREDOログの使用によって、ロググループが循環しない(上書きされることがない)
- 前日のバックアップから、ジョブを実行することによって更新処理をすべて再実行することが可能である
ARCHIVELOGモード
ARCHIVELOGモードでは、ARCHプロセスが起動され、自動的にREDOログの書き込みが完了すると、アーカイブファイルへのコピーが開始されます。
メディア障害に対する対策にはARCHIVELOGモードを選択する必要があります。
メディア障害に対する対策にはARCHIVELOGモードを選択する必要があります。
4.9.2 データベース障害の種類と回復処理
第1章 DB概論の「どのような障害に対応する必要があるのか」を参照してください。
解説トレーナー